主な膝の疾患

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主な膝の病気として以下が挙げられます。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

変形性膝関節症のイメージ画像

変形性膝関節症ってどんな病気?

変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がだんだんとすり減り、膝の痛みが生じる病気です。これは加齢が主な原因で起こることが多いですが、肥満や過去の怪我なども発症に関わります。初めは軽い痛みから始まりますが、進行すると正座が困難になったり、階段の上り下りがつらくなったりと、日常生活に支障をきたすようになります。

変形性膝関節症の症状

初期段階
  • 動き始めに膝の周りに痛みを感じる
  • 階段の上り下りで痛みを感じる(特に下るときや坂道を下るとき)
  • 休むと痛みが和らぐ
症状が進行すると
  • 安静にしていても痛みがとれない
  • 膝が完全に伸びなくなる
  • 歩行が困難になる
その他の特徴
  • 中高年の女性に多い
  • 男女比は1:4で女性に多い

変形性膝関節症の原因

加齢関連の要因
  • 関節軟骨が年齢とともに水分量が減り、剥がれやすくなる
  • 関節軟骨が弾力性を失い、すり減りやすくなる
  • 更年期以降のホルモン変化が女性の発症に関係
生活習慣関連の要因
  • 肥満により膝への過度な負荷がかかる
  • 筋力低下(特に大腿四頭筋などの膝周りの筋肉)により、負担が増える
全身的な要因
  • 半月板損傷、靭帯損傷、骨折などの外傷
  • 化膿性関節炎などの感染の後遺症

変形性膝関節症の治療

薬物療法

薬物治療の目的は、痛みの軽減と炎症の抑制です

  • 湿布や塗り薬などの外用薬を使用
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服
  • ヒアルロン酸の関節内注射(関節の動きを円滑化する)
  • ステロイド製剤の関節内注射(痛みや炎症の軽減)
リハビリテーション

リハビリテーションの目的は、膝周りの筋肉の強化、柔軟性の向上、痛みの軽減、関節の安定性向上です

  • 大腿四頭筋、前脛骨筋、腸腰筋、腹筋のトレーニングとハムストリングス、下腿三頭筋のストレッチ
  • 温熱、電気、超音波などの物理療法により、膝の痛みを和らげ、筋肉の緊張をほぐす※炎症がある場合は温熱療法を避ける
装具療法

装具療法の目的は、膝の負担を軽減し、安定性を高めることです

  • 足底板やサポーターの使用

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

半月板損傷のイメージ画像

半月板損傷ってどんな病気?

半月板損傷は、膝関節にある三日月状の軟骨組織である「半月板」が傷ついたり、ひびが入ったり、割れたりする状態を指します。これにより膝の痛みや、曲げ伸ばしの際の違和感、時には膝の動きが制限される状態が生じることがあります。スポーツによる怪我や交通事故のほか、加齢による半月板の変性も原因となります。

半月板損傷の症状

初期段階
  • 膝に痛みを感じる
  • 膝の曲げ伸ばし時に「コキッ」といった異音や音が鳴ることがある
  • 膝に何かが引っかかるような感覚がある
症状が進行すると
  • 急に膝を動かせなくなり、歩行中に力が抜けることがある
  • 膝がロックされてしまい、曲げ伸ばしができなくなる
  • 膝に水が溜まったり、腫れたりすることがある
その他の特徴
  • 放置すると損傷が悪化し、変形性膝関節症につながる可能性がある
  • 損傷部位によっては自然治癒が難しい場合がある

半月板損傷の原因

加齢関連の要因
  • 加齢に伴い半月板が劣化し、弾力性が失われることで、少しの負荷でも損傷しやすくなる
  • 変性した半月板はクッション機能が低下し、傷つきやすくなる
生活習慣関連の要因
  • 体重がかかった状態で膝をひねる動作や、急な停止動作などによって膝に過剰な負担がかかる
  • スポーツ活動中に膝を痛めることが多い(サッカー、バスケットボール、バレーボール、野球、テニス、スキーなど)
  • ジャンプの着地の際などに前十字靭帯の損傷と同時に発生することがある
全身的な要因
  • スポーツをする方に多く見られるが、中高年にも発生する
  • 生まれつき半月板が大きく厚い円板状半月の場合、関節に引っかかりやすいことがある
  • 関節リウマチなど他の関節疾患が背景にある場合、半月板への影響が考えられる場合もある

半月板損傷の治療

薬物療法

薬物治療の目的は、痛みを和らげ、膝の炎症を抑えることです

  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服による痛みと炎症の軽減
  • 膝の動かしにくさや痛み、腫れを軽減するためのヒアルロン酸注射
  • 痛みを抑えるための局所麻酔剤の注射
リハビリテーション

リハビリテーションの目的は、膝関節の機能回復と再発予防、筋力の強化です

  • ストレッチングやマッサージにより関節の柔軟性を高める
  • 膝周囲の筋力トレーニングを行い、膝関節を安定させる
  • 腫れや痛みが治まった後、段階的に運動負荷を上げていく
装具療法

装具療法の目的は、膝関節の安定化を図り、負担を軽減することです

  • サポーターやインソール(足底板)を使用して関節の安定性を保つ
  • 損傷部位への負担を減らし、痛みの緩和や悪化の防止を目指す

前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)

前十字靭帯損傷のイメージ画像

前十字靭帯損傷ってどんな病気?

前十字靭帯損傷は、膝関節内にある主要な靭帯の一つである前十字靭帯が、スポーツ中の激しい動きなどで断裂する怪我です。この靭帯は、膝のねじれや前方へのグラつきを抑える重要な役割を担っており、損傷すると膝の不安定感や痛みが現れ、放置すると半月板や軟骨にも悪影響を及ぼすことがあります。

前十字靭帯損傷の症状

初期段階
  • 損傷時に「ブツッ」という断裂音や「膝が外れた」感覚がある
  • 損傷直後から激しい痛みがあり、膝を動かせなくなる
  • 関節内での出血により、時間が経つにつれて膝が腫れてくることが多い
症状が進行すると
  • 痛みが落ち着いた後も、スポーツ中に膝がグラグラする不安定感がある
  • 膝に力が入りにくく、急に崩れるような感覚を覚えることがある
  • 半月板や関節軟骨の損傷を合併することが増え、さらに症状が悪化する
その他の特徴
  • 損傷から数週間で痛みが引くことがあり、損傷に気づかずに放置されるケースもある
  • 自然に治ることはほとんどなく、不安定性が残ることが多い

前十字靭帯損傷の原因

外的な要因
  • ジャンプの着地時に膝が内側に入り込むような動作で損傷する
  • 走行中に急な方向転換や停止動作を行った際に、膝が不自然にねじれることで発生する
  • ラグビーやサッカーなどで外側からタックルを受けたり、他の選手と接触したりして膝に強い衝撃が加わることで発生
内的な要因
  • 膝を過度に伸ばすような動きによって靭帯に負荷がかかる
  • 筋力やバランス能力の不足が損傷のリスクを高めることがある

前十字靭帯損傷の治療

薬物療法

薬物療法の目的は、急性期の痛みを抑え、炎症を和らげることです

  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服や外用薬(湿布など)で、痛みや炎症をコントロールする
  • 痛みが強い場合には、点滴や注射による鎮痛処置が行うこともある
リハビリテーション

リハビリテーションの目的は、膝関節の可動域の回復、筋力の強化、バランス能力の改善、そして安全なスポーツ復帰を目指すことです

  • 膝の曲げ伸ばしを中心とした可動域訓練を開始し、膝の動きを取り戻す
  • 太ももの筋肉などを強化するための筋力トレーニング
  • 膝への負担を考慮しつつ、段階的に運動負荷を上げていく
装具療法

装具療法の目的は、治療中の膝関節を保護し、不安定性を軽減することです

  • 手術後に膝関節を安定させ、再建した靭帯を保護するためのオーダーメイド装具を装着する
  • 保存療法を選択した場合や、手術後のスポーツ復帰を目指す段階で、膝のグラつきを抑えるためのサポーターを使用することがある

ジャンパー膝(膝蓋腱炎:しつがいけんえん)

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)のイメージ画像

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)ってどんな病気?

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は、特にジャンプを繰り返すスポーツをする人に多く見られる膝の障害です。膝のお皿の下にある膝蓋腱という腱に炎症が起き、痛みが生じます。初期段階では運動中や運動後に軽い痛みを感じる程度ですが、放っておくと慢性化し、競技への影響や日常生活にも支障をきたすことがあります。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の症状

初期段階
  • 運動をした後に、膝のお皿の下あたりに痛みを感じる
  • 安静にしている時はほとんど痛みがない
  • 運動中に動いているうちに痛みが軽くなることがある
症状が進行すると
  • 運動中に常に痛みがある
  • ジャンプや着地、ダッシュといった動作が難しくなる
  • 膝を曲げたり、しゃがんだりする動作でも痛みを感じるようになる

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の原因

生活習慣関連の要因
  • ジャンプや着地、ダッシュなど、膝を伸ばす動作を頻繁に繰り返すことで、膝蓋腱に過剰な負担がかかる
  • 太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が硬いと、膝蓋腱への牽引力が強くなり、炎症を起こしやすくなる
  • 骨盤の不安定さや体幹の筋力不足も、膝蓋腱への負担を増やす原因となることがある
  • 成長期に骨の急成長に筋肉の伸びが追いつかず、筋肉が硬くなりやすいことも一因となる
その他の要因
  • 成長期の10代、特に男性に多く見られる傾向がある
  • ジャンプや着地の衝撃を吸収しきれない硬い地面でのプレーも、膝への負担を増加させる可能性がある

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の治療

薬物療法

薬物治療の目的は、膝蓋腱の炎症を抑え、痛みを取り除くことです

  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤を内服したり、患部に塗布する
  • 炎症が強い場合や痛みが激しい場合には、ヒアルロン酸やステロイドを膝蓋腱に直接注射する
リハビリテーション

リハビリテーションの目的は、膝周辺の血流を改善し、大腿四頭筋の柔軟性を高めて膝蓋腱への負担を軽減することです

  • 股関節から太ももの前面、裏面、ふくらはぎのストレッチを行い、筋肉の柔軟性を向上させる
  • 股関節周囲の筋肉や腹部体幹筋を鍛えることで、膝関節全体の安定性を高め、膝蓋腱への負担を減らす
  • 炎症がある場合はアイシング、血流改善や痛みの軽減には温熱療法を適用する
装具療法

装具療法の目的は、膝蓋腱への衝撃や負荷を和らげ、膝の安定性を高めることです

  • 膝の安定性を補助するために、テーピングやサポーターを使用する
  • クッション性の高いシューズを着用することで、運動時の膝への衝撃を吸収し、負担を軽減する

オスグッド病

オスグッド病のイメージ画像

オスグッド病ってどんな病気?

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)は、成長期の子供や若者に多く見られる膝の痛みが出る病気です。太ももの大きな筋肉(大腿四頭筋)が、膝のお皿の下にある「脛骨粗面(けいこつそめん)」という骨の出っ張りを強く引っ張りすぎることが原因で、その部分に炎症が起きたり、剥がれて隆起したりします。スポーツ活動、特にジャンプやダッシュ、キックなどを頻繁に行うことで悪化しやすい特徴があります。

オスグッド病の症状

初期段階
  • 膝のお皿の下あたりに軽い痛みを感じる
  • 運動中や運動後に痛みを感じることが多いが、休むと痛みが和らぐ
  • 痛む場所を押すと痛みが増す
症状が進行すると
  • 膝の痛みが強くなり、スポーツを続けられなくなる
  • 膝のお皿の下の骨がだんだんと出っ張ってくる
  • 膝を曲げたり伸ばしたりする時に痛みがあり、正座などが難しくなる
その他の特徴
  • 痛みは片方の膝にだけ出ることもあれば、両方の膝に出ることもある
  • 骨の成長が止まる頃(思春期を過ぎると)自然に痛みが治まることが多い
  • 成長期の、特に活動的な男の子に多く見られる(小学生高学年から中学生くらい)

オスグッド病の原因

生活習慣関連の要因
  • 太ももの前にある大きな筋肉(大腿四頭筋)を頻繁に使うスポーツ(サッカー、バスケットボール、バレーボール、野球など)をやりすぎること
  • ジャンプやキック、ダッシュなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返す運動
  • 太ももの前側の筋肉が硬く、柔軟性が足りないこと
全身的な要因
  • 成長期の、特に活動的な男の子に多く見られる(小学生高学年から中学生くらい)
  • 成長期の子供は、骨が急激に伸びる一方で、筋肉や腱の柔軟性が追いつかない時期があるため、腱が骨を強く引っ張りやすくなる
  • 骨がまだ柔らかい時期に、筋肉の力が強くかかりすぎることが原因となる

オスグッド病の治療

薬物療法

薬物治療の目的は、膝の痛みを和らげ、炎症を抑えることです

  • 痛みや炎症を抑えるために、湿布や塗り薬などの外用薬を使用する
  • 炎症が強い場合には、非ステロイド性消炎鎮痛剤の飲み薬を使うこともある
リハビリテーション

リハビリテーションの目的は、膝蓋腱への負担を軽減し、柔軟性の向上と痛みの緩和を図ることです

  • 太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)のストレッチを念入りに行い、筋肉の柔軟性を高める
  • 股関節の周りの筋肉や体幹の筋肉を強化することで、膝にかかる負担を軽減し、体の安定性を向上させる
  • 運動後のアイシングで、炎症を抑えて痛みを和らげる
装具療法

装具療法の目的は、膝蓋腱にかかる負担を和らげ、痛みを軽減することです

  • オスグッド病用のバンド(オスグッドバンド)を膝のお皿の下に巻くことで、膝蓋腱にかかる力を分散させ、痛みを抑える
  • 必要に応じて、足底板(インソール)を使用して、足元からの衝撃を和らげる

症状だけで病名を断定することは難しいことが多いです。膝の不調について不安な点やご不明な点があれば、弥富市にある服部整形外科皮フ科までお気軽にご相談ください。